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2023.10.03

業界コラム

工場・倉庫の地震対策!取り組むべき対策のポイントとは?

 来る来る、と言われながらなかなか来ない。でも来てほしくない大型地震。TVでもよく特集される南海トラフ地震、東南海地震ですが、その規模はM8以上と言われ、一度起こってしまうと大災害になります。

 2018年発表時点で、今後30年間に起こる確率は70~80%、50年間に起こる確率は90%以上とされ、2015年内閣府資料では、建物の全壊33~36万棟、死者数約6,600人、個人・企業・ライフラインの直接被害は約43兆円と予測されています。

 30年以内に70~80%の確率で起こるとされているうち、もうすでに5年経過しました。100~200年周期で起こるとされている地震周期は、だんだん短くなってきているようです。これも地球温暖化の影響でしょうか?

 国家予算の1/3以上の被害額が想定される大災害ですが、人災がその割に少なく見えるのはきっと、国交省が進める建物の耐震化率2020年で95%、2025年で100%が奏功しているのでしょう。

 そう、対策で被害は軽減できるのです。地震の国、日本にすむ私たちは「あるもの」として生活しなければなりません。2023年の前半年だけを見ても、震度1以上の地震は1,000回以上、震度5以上の地震は8回起きています。TVがことあるごとに特集を組んで報道するのも「地震に備えよ」という意図があるように思えます。

地震対策のポイント

 建物の耐震化が進んだ今、私たちは工場・倉庫などの内部に目を向けて備えましょう。BCP(事業継続計画)を策定し、人命を第一に、次に基幹事業をまずは動かせるように考え、対処すべき点を小さく切り分けて順序を決めていきます。そして、優先順位の高いものから着実に実行していけば、次第に災害に強い事業所へと変わります。

 全体的な計画を立てたら、ぜひもりや産業にご相談ください。日進月歩で開発される地震対策品をいつも把握しておくのはたいへんですから「プロに聞く」のもひとつの手です。設備のプロであるもりや産業には、安価なコストで地震対策を実現できるツールなど、いっぱいノウハウがあります。あなたの事業所に最適なツール、数量を一緒に考え、予算的な把握をしていただくことも可能です。

 大仰な設備や対策品を考えるよりも、「できるもの、できるとこからスグにやる。」のもポイントです。では、イザというときに「やっててよかった」と思っていただける地震対策製品の一例を、これから紹介していきましょう。どれも比較的安価で、モノさえあれば明日からでもできるものばかり。そして何より、効果抜群です!

パレット・ラックの滑り、崩落を抑える「ネスグリップ・ネスベルト」

 まずは人命に関わる対策から行っていきましょう。もし、ネスティングボックス上段にある重量パレットが落下してきたら、人命に関わります。このような事故をわずかな施工で大きく削減することができるツールが、この「ネスグリップ」です。使い方はカンタン、コの字型断面の本製品をネスティングラックとパレットの接点4箇所にはさむだけ。それなのに効果は抜群で、M7.3の阪神淡路大震災と同じ震動実験でもなんとか耐えきっています。

 さらに効果を高めるのが「ネスグリップ」と「ネスベルト」の併用です。ネスベルトはネスティングボックスどうしを結束するマジックテープ付きベルトですが、このベルトを使用するだけで、震動によるボックスの移動、そのことによる上段の崩落を抑制することができます。こちらも、ビデオで見てみましょう。

 ラックどうしが結束されることで、実験での地震が起きたあとも大きな崩れは見られません。もし同様の収納を、大規模な倉庫全体で行っていたとしたら、ネスグリップ&ネスベルトのあり/なしでは地震後の操業や被害額に大きな差となることでしょう。それほど大きなコストをかけず、簡単に、しかも効果の高い地震対策の真髄はこんなところにあります。

可倒式パレット飛び出し防止金具「だるま」

 こちらも同様にパレットの飛び出し、落下を防ぐツールです。ばねの力で爪は立っていますが、パレットを入れる方向にだけ倒れます。

 わざわざ、パレットの底でこすりながら爪を倒して入れる必要はありませんが、もし入庫時にあたっても、爪は倒れて引っかからない構造になっています。逆に、地震発生時などパレットが前に飛び出そうとするときには、この爪がパレットに引っかかって飛び出しを防止します。起き上がりこぼしのように倒れても起き上がるから、「だるま」なのですね。

 こちらも使い方はネスティングボックスにはめるだけ、です。パレットを取り出すときには、フォークでしっかりとパレットを上げる必要がありますが、このあたりはお客様の収納する荷物やパレットを取り出す頻度とのご相談になります。「ネスグリップ」がよいのか、「だるま」がよいのか、はたまた併用するほうがよいのか・・・もりや産業がお客様とのコミュニケーションを大切にする理由が、このあたりにあります。

荷物に合わせた多様な安全製品「荷崩れ防止資材シリーズ」

 これまでに紹介した以外にも、荷崩れを防止する製品は数多くあります。そのいくつかを簡単に、でもできるだけ紹介したいと思います。

・荷崩れ防止ベルト

 パレットに積みつけた荷物が崩れやすい上方に巻くことで、高い荷崩れ防止効果を発揮するベルトです。布製やメッシュ製などいろいろなタイプがありますが、基本的に布材を1周巻いてマジックテープでとめるだけです。ストレッチフィルムと比較して簡便さ、再利用によるコストカット、利用後のごみ処理がない、などのメリットがあります。

・フレキシブルクロスパワー

 こちらは荷物にストレッチ性のある布をかぶせるタイプの荷崩れ防止ツールです。荷崩れ防止ベルトと同じような効果がありますが、形状の違う箱をまとめた荷物にはこちらの方が便利でしょう。

・クラフト両面NSシート

 パレットの上に敷き、荷物との間にはさんで使用するすべり止めシートです。敷くだけ、簡単ですが、特殊加工を施したクラフト紙で高いすべり止め効果があります。ロールタイプのほかにパレット用にあらかじめ1m×1mサイズにカットしたシートタイプもあります。

・荷崩れ防止用接着剤塗布システム「荷ロック」

 段ボール箱の天面に水平方向の滑りは防ぎ、垂直方向の荷物取り出しには抵抗が少ない接着剤を塗布するシステムです。塗布用のゲートを通して接着剤を塗ったあとは、ただ積みつけるだけですから、究極のシンプルさです。

商品紹介

【ネスグリップ/ネスベルト】

・ラバーグリップの力によるすべり止め効果
・はめるだけ、の簡単取付
・ネスティングラック専用設計
・マジックテープでワンタッチ装着
・装着に便利なすべり止め付き
・抜群の制震効果

【パレット飛び出し防止金具「だるま」】

・ラック挿入を妨げない可倒式
・はめ込むだけ、の簡単取付
・視認性に優れた黄色焼付塗装

【荷崩れ防止資材シリーズ】

・多種多様なソリューション展開
・事業所ベストなツールを提案
・すべてのツールが簡単で高い効果

まとめ

 残念ながら、M7以上の大地震はいつかは必ず来ます。しかし、人の知恵で災害を減らすことは可能です。過去の巨大地震と比較すれば現代はきっと大幅に被害を減らすことができるでしょう。そのためには、まず行動です。今回取り上げた事例はすべて難度は低く、効果は高く、手をつけやすいツールです。全体的な計画を立て、ゾーンごとにしっかりとした対策を施して行きましょう!もりや産業がお手伝いします!!