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2022.08.22

業界コラム

物流現場の改善② 低コストで誰でもできる耐震対策とは?

日本は世界有数の地震多発地帯

TVに地震速報が飛び込んできても、私たちはやや慣れてしまった感があります。チラッと震度や震源位置を見て、あぁまたか・・・でも地域的に関係ないかな?・・・という感じです。

しかし、その地震、いつあなたの職場で起きるかわかりません。日本はインドネシアに次ぐ世界第2位の地震大国です。昨年、2021年の震度1以上地震発生回数は2424回、震度3以上は235回に上りました。(気象庁データ)。毎年約200回も震度3の地震が繰り返し発生する日本において、あなたの職場が地震被害に遭っていないのは、幸運と言えるかもしれません。

一方、2020年における国交省の耐震化率は95%、2025年には100%を目指しています。(国交省ホームページより)建築基準法の考え方で耐震構造とは、震度6~7でも「倒壊しない」ことで、そのため、建物は倒壊しなくても地震のエネルギーはダイレクトに内部へ伝わります。

そこで、近年注目されているのが、免震ゴムや制震ダンパーを入れた「免震」「制震」建物です。

これらの建物は内部へ地震エネルギーが伝わりにくく、揺れが抑えられるのが特長です。しかし、この構造を採用した建設はコストがかかるため、年間4%ほどしかなく、建物の「免震」「制震」化のハードルは高いと言えるでしょう。

それでは、できることはないのでしょうか?そんなことはありません。少しでも止まると問題が山積していく物流業界では、BCP(事業継続計画)の観点から、地震対策製品が活発に開発されてきました。コストだって、手間だってそんなにかかりません。「できるところから、すぐに!」を実現した地震対策商品をご紹介しましょう。

はめるだけ!でパレット落下防止に大きな効果「ネスグリップ」

フレーム構造でパレットごと荷物を収納できるネステナー。あらゆる倉庫で見かけますが、ネステナーのパレットすべり止めとして効果的な地震対策製品に「ネスグリップ」があります。

断面コの字型×長さ150mm程度のゴム成形品ですが、50mm角のネステナーフレームにぴったりはまります。ひとつのボックスに4箇所ほど使用し、その上にパレットを積むだけで、あるとないとでは全然違う効果を発揮します。

コストもそれほどかかりませんし、空いているボックスにまさにはめるだけ。日々のパレット業務で気づいたときに「なければはめる」をみんなで徹底すれば、BCP意識の向上にもつながります。

ネステナーの柱どうしをつないで備える「ネスベルト」

ネスベルトは「すべり止め付きのマジックテープベルト」でネステナーの柱どうしをつないで使います。いざ地震になるとネステナーは荷物を積んでいても大きく移動したり、段積みしているものは落下する場合もあります。

このベルトを使用することでネステナーどうしが連結され動きにくくなります。また、柱をつなぐだけでも前後のぶれが大きく抑制されるため上段のネステナー落下防止に役立ちます。重量物が人に落下する重大なインシデントが発生する前に、このベルトを使えば、重大な事故を回避できる可能性がグッと高まります。

もちろん、大切な製品・荷物への被害も大きく防げるでしょう。簡単・シンプルな構造、取り付けもカンタン、でも絶大な効果!いつでも、スグでもできるこの地震対策アイテムは絶賛オススメです。

パレット飛び出し防止金具「だるま」

「だるま」は倒れて、起きて、倒れて、起きてという動作から命名されたパレット飛び出し防止金具です。ネステナーに「はめるだけ」のカンタン取り付けで、重大事故となる通路側へのパレット飛び出しを防ぎます。

ボックス奥側へのみ倒れる構造の金属爪が、地震時など想定外のパレットの飛び出しを防止します。パレットをボックスに押し込むときには、パレットの底面に爪が当たっても奥側へ倒れ込み挿入のじゃまをしません。

地震時だけではなく、不意のフォークリフト衝突時などにも人を怪我から守ります。ここでも、カンタン、ローコスト、でも大きな効果が期待できます。

商品紹介

パレットすべり止め「ネスグリップ」

大きな摩擦抵抗を生むストライプ形状の突起でパレットのすべりを防ぎます。
取り付けも簡単で、パレット操作のじゃまにならないアイテムです。

ネステナー連結ベルト「ネスベルト」

ネステナーの柱を強力かつ柔軟に連結します。
マジックテープで簡単に着脱可能、内側にすべり止めが付き、衝撃や地震の揺れによるズレを防ぎます。

可倒式パレット飛び出し防止金具「だるま」

パレットの通路側への飛び出しを防止。
はめ込むだけの簡単取り付けで、安全対策に可倒式構造でフォークリフト作業のストレスになりません 。

まとめ

「免震」「制震」は建物そのものに大がかりな手を加えるプロジェクトで多大なコスト、長期にわたる準備期間が必要です。しかし、物流業界はとどまることなく毎日動き、社会を支えるインフラでもあります。そして、地震はいつやってくるかわかりません。

だからこそ、いま、できることをコストを抑えながらも手の届く範囲でやっておくことが大切です。きっとそれが、いつかあなたの職場を助けることにつながります。