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2023.10.17

業界コラム

フォークリフトバッテリーの寿命や交換目安を徹底解説!

 どこの物流拠点や倉庫、生産現場にもあるフォークリフト。エンジン/バッテリーの国内生産比率は、2022年においてエンジン式フォーク32%に対してバッテリー式(リーチ、けん引車を含む)68%とすでにバッテリー式が主流となっています。(日本産業車両協会調べ)

 バッテリー式フォークはさらに鉛蓄電池式とリチウムイオン式に分かれますが、まだ鉛蓄電池式が多いのが現状です。何か古い気がします?でも、みなさんの乗用車のセルモータ、ほとんどすべて鉛蓄電池で回っていませんか。そう、今回はまだまだ現役の鉛蓄電池式バッテリーフォークリフトの電池交換にスポットを当ててお話ししたいと思います。

電動フォークの「命」、バッテリーの寿命はどれくらい?

 まずはバッテリーの寿命についてお話しします。結論から言えば、フォークリフト用バッテリーは約4~5年で寿命を迎えることになります。

 鉛蓄電池のバッテリーサイクル(充電回数)は約1,200回と言われています。昼間に使用して夜に充電する一般的な方法を例として、300日/年稼働だと1,200÷300=4年、240日/年稼働だと1,200÷240=5年になります。そして、次のような症状が出てきたら交換を考えなくてはなりません。

 【注意】限界を超えてバッテリーを使うのは絶対ダメ!
寿命がきているのにむりやりバッテリーを使い続けると、異臭がしたり、最悪爆発の危険性もあります。過去には運転席下のバッテリーが爆発し、労災につながった事案もあります。こうなるともう、コストの話ではなくなってしまいます。限界を超えてバッテリーを使うのは絶対にやめましょう。

 耐用年数4~5年と思ったより長く使える印象もありますが、その交換費用を考えると、きっと「もっと長く!」と思うでしょう。さて、そのバッテリー交換費用ですが、一般的なディーラーで交換してもらった場合、いくらぐらいになるかをまず記述します。

 あくまで目安としての価格ですが、「中古のフォーク買えるじゃん!」という声が聞こえてきそうです。逆に、「ウチはもっと安いんだよね」とおっしゃる方もいるかもしれませんが、いくら高額だからといって1年以内に動かなくなるような廉価版バッテリーに飛びついちゃダメですよ。もっと損します。

 バッテリーはちゃんとした製品を、なるべく長くもたせたいものです。実は、バッテリーは日々の使い方に気をつけることで寿命を延ばすことができます!これからそのコツを紹介しましょう。

フォークリフトのバッテリー寿命を伸ばすコツ

 バッテリーは管理やメンテナンスをしっかりすることで、寿命に差が出ます。管理もメンテも全くしなければ最悪1年程度で寿命を迎えてしまうこともあるでしょう。逆にちゃんと管理・メンテをしてあげれば4年以上もつ場合もままあります。早速今日からそのコツを実践してみてください。

①過放電を避け、頻繁な充電も避ける

過放電とは100%満充電のうち80%以上の放電、つまり残量20%以下になるまで使用することです。また、頻繁な充電とは1日に2回以上充電したり、継ぎ足して充電することを指します。このような使用法はバッテリーの寿命を縮めます。

②バッテリー液量は適正に

バッテリー液が少ない状態で使用すると内部温度の上昇を招き、適正な電気容量を引き出すことができずにムリな稼働で極板を傷め、寿命を縮めます。また、多すぎると充電中の水素発生による水面上昇で液があふれ、バッテリー室が錆びたり、最悪短絡による火災や爆発の原因になります。

③定期点検でチェック

年次、月次、始業点検のルーチンで異常がないか確認しましょう。年次や月次のバッテリー測定で電圧値や液比重値におかしなところがあればできるだけ早く対策することが大切です。

④バッテリー上面はキレイに

バッテリー上面が、ホコリなどがたまって汚れているとそこから自然放電し、これも劣化の原因になります。1~2週間に一度はバッテリー上面を拭いてキレイにしましょう。

 このように気をつかってあげれば、バッテリーの寿命は延びます。そして、それでもバッテリーの寿命がきてしまったら、その時は・・・あるんですよ!復活するサービスが。もはやウラ技的ですが、そのサービスについて紹介しましょう。

バッテリー復活!「MOTTA(バッテリー復元サービス)」

【このサービスは関東エリア・関西エリア限定です】

 バッテリー劣化の大きな要因として、「サルフェーション」があります。サルフェーションとは、硫酸鉛が固体となって電極に白く結晶化してくっついた現象です。バッテリーを見ると電極版が白く粉を吹いたようになっています。
 
 通常、バッテリーの中では以下のような現象が繰り返し行われています。

 ところが、自然放電を続けたり過放電の状態では硫酸塩が結晶化、つまり固体化して白い粉になります。

 固体化した硫酸塩は電気を通しませんから、その分、バッテリーの充電、給電効率が下がります。いわゆる寿命が近づいた状態でこれがサルフェーションです。

 このサルフェーション、化学反応ですから手ではたいて取るというわけには行きません。MOTTAでは新しい電気的エネルギー投下による復元方法を採用し、極板を傷めることなくサルフェーションを短時間で除去します。復元期間中は代替バッテリーを貸し出してくれるのでフォークリフト稼働を止めなくてもOKです。

 また、復元前の劣化状況を示す報告書も出ますから数値で効果の確認もできます。ただし、新品になるわけではありません。寿命1,200サイクルが2,000サイクルまで伸びるイメージです。それでも、4年寿命が7年寿命になるようなイメージですから、コストメリットは大きいと言えます。

いっそ、一足飛びにFC(燃料電池)フォークの導入を

 バッテリー式フォークリフトは鉛蓄電池からリチウムイオン電池の採用も進んでいるのですが、いっそ一足飛びにFC(燃料電池)フォークの導入を検討されるのはいかがでしょうか。鉛蓄電池からリチウムイオン電池になっても、予備バッテリーの確保や1時間程度の充電時間はやはり必要です。充電器、予備バッテリーのスペースも確保しなければなりません。

 一方、FC(燃料電池)フォークリフトでは定置式水素充填設備を設置しますが、ある程度の台数のフォークリフトが稼働する事業所では充電器と予備バッテリーのスペースよりも小さくなります。水素充填設備は太陽光発電での運用を行い、限りなくCO2の排出を抑制したクリーンな搬送を可能にします。

 FCフォークリフトで1回の水素充填にかかる時間は約3分!バッテリー式フォークリフトの充填時間を1時間としても隔絶の感があります。また、FCフォークリフトは音がしません。構内労働環境を一気に別次元へと引き上げます。近未来、とお考えでしょうか。いえいえ、もりや産業が理想を現実へとフォローアップします。

まとめ

 バッテリー式フォークリフトのシェアは国内60%を超え、エンジン式からの世代交代感があります。しかし、これからは廃棄バッテリーの問題もクローズアップされることが考えられ、今回紹介したバッテリー復元サービス需要の増加、FCフォークリフトへの移行も具体的になってくるものと思われます。もりや産業では今だけではなく、近い未来を見据えたご提案でカスタマーに満足をお届けします。