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2023.08.08

業界コラム

結構使える!エイジフレンドリー補助金とは?

 まずは、「エイジフレンドリー補助金」って何?について厚生労働省の案内文から引用して紹介しましょう。
 
 エイジフレンドリー補助金は、⾼齢者を含む労働者が安⼼して安全に働くことができるよう、中小企業事業者による高年齢労働者の労働災害防止対策やコラボヘルス等の労働者の健康保持増進のための取組に対して補助を行うものです。(厚生労働省Webサイトより)

 つまり、高齢者のかたが安心して働けるためのツール、設備、環境を整えるための費用や医療保険者からのサポート費用を一定割合補助しますよ、という補助金になります。もりや産業のお客様でも多く対象になる事業所がありそうですので、今回特集しました。

高齢者の労災事故や健康への対策がますます重要に

 この厚生労働省が作成した2つのグラフを見ていただければ、高齢者と労災事故の関係がよくわかります。左のグラフは全労働者に高齢者(60歳以上)が占める割合を示しています。60歳以上の労働者割合は増加の一途となっています。欄外に記載されているように、統計のある最新の令和3年では18.2%となっています。対して、右のグラフは労災事故における60歳以上の割合を示していますが、こちらも欄外に25.7%と示されています。

 60歳以上の労働者において、労働者数割合を労災事故の割合が上回っているということは「高齢の労働者は事故に遭う割合が高い」と言えます。しかし、超高齢化が進むこの日本において、働き手に60歳以上のかたの増加が避けられないことは、グラフも示しているとおりです。

 ドキッとするかもしれませんが、あなたの事業所では、60歳以上のかたがどのくらいいますか?そして、その方たちの安全・安心対策はどのぐらい進んでいますか?
気にはなっていても、目の前の仕事に追われてつい後回しになってしまうのが環境整備や高齢者向けの安全・安心対策です。しかし、事故があったときにはもう遅く、そこから日常に戻るにはたいへんな負荷と努力が必要になります。

 補助金の得られるこの機会に高齢者向けの環境整備と安全・安心対策を考えてみませんか。どのような設備やアイテムがあなたの事業所に合うか探してみませんか?

エイジフレンドリー補助金のコースと条件

 エイジフレンドリー補助金は、「高年齢労働者の労働災害防止コース」と「コラボヘルスコース」の2つのコースがあります。こちらのコース内容と条件について、まずは厚労省の補助要件表から抜粋して紹介しましょう。

 今回、注目していただきたいのは「高年齢労働者の労働災害防止コース」です。こちらの対象は、高年労働者(60歳以上)が常時1名以上、対策を必要とする業務に就いていることになります。この点が「コラボヘルスコース」とは異なります。

 「コラボヘルスコース」は産業医、保健師、精神保健福祉士、公認心理師、労働衛生コンサルタント等による労働者の健康保持増進取組に要する費用補助ですが、全年齢対象であり、今回紹介の主旨とは外れるため、ここでの紹介にとどめます。

 残る条件としては労災保険に加入している中小事業者(製造業・運輸業の場合は従業員数300人未満、資本金3億円以下)であることです。まとめますとエイジフレンドリー補助金の「高年齢労働者の労働災害防止コース」対象は以下になります。

 「労災加入の中小事業者で、60歳以上の労働者が1名以上対策業務に就いている」

 いかがですか。多くの事業者があてはまるのではないでしょうか。この機会に、一気に高齢労働者のための環境設備と安心・安全対策を整えましょう。

「高年齢労働者の労働災害防止コース」は何に使える?

 厚労省のガイドを見ると補助金の使える用途は以下の4つに大きく分類されています。

1. 転倒・墜落災害防止対策に関する費用
2. 重量物取扱いや介護作業における労働災害防止対策に関する費用
3. 暑熱な環境による労働災害防止対策に関する費用
4. その他の高年齢労働者の労働災害防止対策に関する費用

 また、具体例のイラストも掲載されていますので紹介しておきますね。

エイジフレンドリー補助金の注意点

①先に購入しない

 エイジフレンドリー補助金の流れは、申請>>審査・交付決定>>実施(設置・工事)>>事業者による支払い>>補助金交付 というフローになります。申請して審査・交付決定する以前に購入した物品や工事は補助対象外となります。

②補助対象外のものもある

 たとえば空調服なら、60歳以上の人数分だけが対象になります。予備や60歳未満の人の分は対象外になります。このほかにもOK/NGは細かく分類されていますので、ご注意ください。

③申請は年に1度だけ

 申請できるのは、1事業者につき年に1度だけになります。そのため、前述の「コラボヘルスコース」についても補助を受けたい場合は一度に申請する必要があります。「高年齢労働者の労働災害防止コース」対象でも設備や物品はまとめて1度に申請する必要があります。

④補助額は上限100万円まで

 「高年齢労働者の労働災害防止コース」は補助率1/2で上限100万円まで、「コラボヘルスコース」は補助率3/4で上限30万円まで。「高年齢労働者の労働災害防止コース」と「コラボヘルスコース」を同時申請した場合でも補助上限は100万円までになります。

⑤申請期限は令和5年10月末日まで

 今年の補助金申請期間は10月末日までです。また、令和6年1月末日までに実績報告書及び精算払請求書を提出する必要があります。

まとめ

 申請には7つの書類が必要になり、その中には機器の見積書やカタログも含まれます。また、何がOKで何がNGなのかをあらかじめ知っておかなければ申請が降りない場合もあります。高齢者向けに有効な器具、道具、設備はたいへん多く、あなたが知らない便利なツールがあるかもしれません。

 費用の1/2の補助を受けながら、高齢労働者の設備や安全・安心ツールの充実を今こそ実現しましょう。今回の補助金の申請期間は10月末日までになりますので、ご注意ください。