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2023.05.30

業界コラム

2025年問題とは?物流現場での課題とその対策

 「2024年」問題ですよね?と言われそうですが、いえいえ、「2025年」問題です。毎年問題が出てきてゲンナリするお気持ち、わかります。でも、この「2025年問題」も先を見据えて考えておかなければならないテーマなのです。ご説明しましょう。

 「2025年問題」とは、2025年以降、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、超高齢化社会になることで発生する問題を指します。基本データとなる年齢別/性別人口グラフ、いわゆる「人口ピラミッド」を見てみましょう。

 2025年にはいわゆる「団塊世代」が75歳以上の後期高齢者となります。いよいよ、私たちは超高齢化社会の入り口に立つわけですが、その時、物流・倉庫・工場の担い手はどうなっているでしょうか?

 2025年は2年後です。状況は今とあまり変わらず、若い人の入社はアテにできないかもしれません。さらにその5年後には、「2030年問題」も控えています。これは、2030年には日本人口の3人に1人が65歳以上になる一方、少子化により生産年齢人口が減少することから起因するさまざまな社会問題の総称です。

 回りに団塊世代の人はけっこういませんか?その人たちが後期高齢者となり、もしいなくなったらお仕事に影響しませんか?・・・こう考えると、結構ソワソワしてくる問題です。今からでもその対策を進めましょう。

めざす方向は「高齢者でも働ける環境を整えておくこと」

 みんな高齢者になる、若い人は来ない。現実を直視したそんな環境の中で取り得る対策は、やっぱり「高齢者でもムリなく働けるようにすること」になります。世の中、定年の年齢はどんどん上がっていますが、2025年、2030年には「定年制」自体がなくなっているかもしれません。

 定年時期のシフトや、年金受取開始年齢を遅らせる選択枝を見ると政府の動きも「できるだけ働きましょう」の方向です。企業は定年制にとらわれず、高齢者を雇用する体制を見直しておく必要があります。

 では、高齢者雇用の見直しとは具体的にどのようなことでしょうか。それは、個人の体力やガッツにたよらずに業務が滞りなく行える環境作りです。力が必要なワークは機械化・自動化して、簡単・ラクに行えるようにします。

 もうひとつ、大切なことがあります。それは機械化・自動化する際に、あまり専門的・複雑な装置とならないようにすること、拡張性を意識することです。誰でも使えてすぐに効果が現れるようなところから少しずつでも機械化を進め、それを連携させながら、いつかは大きな自動化、省人化の効果をもたらすことが理想です。

 未来のことは見通しにくいものですが、そこはもりや産業の持つ知見が役に立ちます。お客様の事業所ごとに考え抜いた自動化を、将来を見据えて提案します。
 では、その第1歩となる自動化機器を次に紹介していきましょう。

段ボール箱積み付けロボット「ロボットパレタイザー」

 ダンボール箱の積み付けは重労働の代表格ですが、それを人に代わってやってくれるロボットが「ロボットパレタイザー」です。

 シンプルなX-Y直交ロボットを使用することでコストを抑えながらも、重労働からの開放という大きな効果が得られます。積まれたダンボールの位置をロボットが測定しながら取り出すので、設定はシンプルです。これで高齢者や女性でも取り扱いが容易になり、人の定着率もアップすることでしょう。

・天井の低い現場に設置可能
・交換パレットを増やしても、動線が同じ方向で効率的
・低予算で導入可能
・単純作業から人を開放

段ボール箱製造機「FitSize(フィットサイズ)シリーズ」

 製品にフィットしたダンボール箱を、必要なときに必要な数だけつくることができるオンデマンド&カスタムダンボール製造機がFitSize(フィットサイズ)シリーズです。

 プリセットされたダンボールの種類は240種類!そこから理想に近いものを選び出して、ハンドスキャナで製品の幅・奥行き・高さをピッ、ピッ、ピッ、と設定すれば、製品にフィットした専用ダンボール箱ができあがります。

 製品にフィットするということは、緩衝材の削減や、突き詰めれば緩衝材を不要にすることも可能です。ストック分ダンボール箱の発注作業、納入作業、作業現場への運び込みに関する労力も大幅に削減できます。

・オンデマンドでぴったりの箱を素早く製造
・タッチパネル選択式のかんたん操作
・製造する箱のサイズ・形状は自由自在
・三菱製PLC制御を採用した広い拡張性

構内搬送からの開放。低床ガイドレスAGV「XF-100」

 工場や倉庫内の構内搬送、結構ありますよね。その構内搬送、自動搬送装置(AGV)に全部任せてしまいましょう。カゴ車の下にもぐり込んで持ち上げて搬送したり、カゴ車を引っ張って動かしたり、ワゴンを乗せてピッキングに使用したりと多くの用途に対応します。

 さらに、「XF-100」はレーザーで進路を自分で選択しながら走行することも、磁気テープに沿ってカッチリ走行することもできるハイブリッド型。将来的なロボット連携にも対応しています。これで高齢者や女性も、構内の重量物搬送から開放されます。

・自律走行による障害物回避 / ルート変更
・ロボット・設備連携に必要な高制度停止(+-5mm)
・市販のカゴ台車への潜り込み搬送が可能
・マッピングや禁止区域指定などの運用が容易

ストレッチ包装機

 両手で重い幅広ラップを持って、積みつけ済みのパレットをぐるぐる回る・・・シンドいし、目も回って気持ち悪いし・・・いまこの作業を誰かがしているのなら、貴重な人材を退職から守るためにもぜひ1番に導入していただきたい自動機です。フォークで積みつけたパレットを回転台に乗せてラップの端を縛り、ボタンを押すだけ。

 それだけであらかじめ決めた巻き方でラップを巻いてくれます。あとはフォークで取り出すだけ。ぜんぜん力は使いません。まさに天と地ほどの改善が得られます。巻き方も5通りがプリセットできますから、作業者は1~5番を選ぶだけ。半手動から全自動まで多くのバリエーションがあります。

・タッチスクリーンの簡単操作
・わかりやすい日本語表記
・5種類の巻き方を記憶可能
・半手動から全自動まで豊富な機種構成

まとめ

 「DXで物流革命だ!」なんて大上段に構えても中々うまく行きません。ワケのわからないデジタル用語の波に飲まれながら、無数の仮想問題とその対策で疲れ果ててしまいます。
そうではなく、気になるところから自動化をムリなく進め、慣れてきたら、さらに効果が上がるように連携を考え、実践と効果予測を行き来しながら総合的に自動化を進めて行くことがうまくいくコツです。

 もりや産業は、先を見通しながらも「いま」必要な課題から着実に手をつけ、いつか、「ああ、これがDXだったんだ。」と思ってもらえるような2025年、2030年対策を行います。「どうしたらいいと思う?」というようなご質問でも大丈夫です。悩むより気軽にご連絡いただき、素早いお悩みの解決へと一歩を踏み出しましょう。