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2023.04.14

業界コラム

イッキに脱プラはむずかしい…減プラから始めるSDGs

脱プラってむずかしい…

 「脱プラ」。そっちの方向へ行くべきなのはわかっているのですが、いざ、やろうとすると中々むずかしいものです。今まで使用してきたプラスチック製品を代替品に置き換えるわけですが、だからといって不便でもいいかというとそうではないし、コストが増えてもだめでしょう。もともと、脱プラはむずかしいものです。

 たとえば、もりや産業が深くかかわる物流の分野で、「ストレッチフィルムやプラパレがゼロの世界」というのは現実感に乏しい気がします。プラスチック製品を手放すとき、その代替手法には同等の利便性やコストが求められます。なぜなら、利便性に劣るものを無理して使ってもいつかは疲れてしまいますし、コストアップも耐えられなくなるからです。

 別包装材の開発や量り売りなど、脱プラを実行するために、生産の手順や販売形態が変わってしまう場合もあるでしょう。また、中にはレジ袋のように顧客側の意識改革レベルまで必要になる場合もあります。ここまでくると政府が主導し、大手企業が綿密に計画して官民一体となった一大キャンペーンが必要に・・・これは何か違います。いま、私たちがしなければならないのはそうではなく、もっと身近なことから、後退することなく、無理せず進み続けることだと思います。
 キーワードは「脱プラ」じゃなくて「減プラ」。できるだけ今までの手順を変えずにプラスチック製品を少しずつでも減らしていく――今回はそんな製品を紹介しましょう。

丈夫さそのまま、薄くなったストレッチフィルム

 突然ですが、ストレッチフィルムの厚さってご存じでしょうか。各社いろいろありますがだいたい12ミクロン~15ミクロン、なかでも12ミクロンが中心だと思います。

 今回紹介するトップバッターは、何と薄さ6ミクロンのストレッチフィルム「Nano6(ナノシックス)」です。コンセプトは至ってシンプル。薄さが半分なら、プラの使用量も半分。使うだけで50%の減プラを達成できてしまいます。

 「そうは言ってもすぐ破れたりして、使いモンにならなきゃしょうがない。」そんな声も聞こえてきそうですが、大丈夫です。このフィルムは、最先端のプロセスで精製された複数の高機能原料をナノレベルの制御技術で積層することにより、ストレッチフィルムに要求される様々な強度や特性を、たったの6ミクロンの厚みの中で高次元に実現することに成功しています。以下にその根拠となるグラフを示します。

 使用領域でどの厚みのフィルムと比較しても、引張強度に優れています。つまり、破れません。では、引張強度以外はどうでしょう。突き刺しに対する強度はいちばん厚い15ミクロンと同等です。

 さらに、薄くなった分1本の芯材に1,000mも巻くことができ、取り替えの手間だって1/2になります。従来の3インチではなく、2インチ紙管に巻いていますから、ストックスペースもグッと節減。運送・保管・紙管の廃棄あらゆる面でメリットが出てきます。そして何より最大のメリットは、減プラをするにあたって手順や方法がなーんにも変わらない、という点です。地味ですが、とても大きなメリットです。

超うす梱包用ストレッチフィルム
「Nano6(ナノシックス)」

・通常厚のストレッチフィルムと比較して、同等以上の引張強度
・強い保持力で荷崩れを防止
・突刺強度が強く、穴が開きにくい
・2インチ紙管1000m巻でコンパクト(3インチもあり)

OBP(オーシャン・バウンド・プラスチック)を使用したプラパレ

 海に流れ出る可能性のあるプラスチックごみを回収・リサイクルした素材をOBP(オーシャン・バウンド・プラスチック)といいます。もりや産業ではこのOBP成分を配合(5%)したプラパレの取り扱いを開始しました。このプラパレ、側面に環境省が推進する「PlasticSmart」ロゴが印刷されています。「PlasticSmart」は海洋プラスチック問題に向き合い、プラスチックと賢く付き合いながら未来に向けた様々な取り組みを推進する製品に付与されています。
 
プラパレを新規購入するときに、このOBPを使用したプラパレを使用すれば海洋プラスチックごみの削減に貢献することができ、その姿勢もプラパレの流通によって示すことができます。この製品も、従来のプラパレと使い方は何も変わりません。現場に負荷をかけることなしに減プラに取り組めます。

海洋プラごみをアップサイクル
「OBPプラスチックパレット」

・海洋廃プラとPP材を原料とした環境貢献製品
・環境省「PlasticSmart」ロゴを付与
・スタンダードサイズ、4方向差し
・動荷重1,000㎏、静荷重4,000㎏

プラ製品から紙製品への置き換えBest3!

 まだまだあります、プラからの置き換え製品。プラから紙製へ置き換え可能で、大きなものといえばやはりパレットです。APPAパレットは天板にハニカム構造のダンボール材、桁部分に紙管を使った、廃棄可能なパレットです。静荷重8000㎏、動荷重1000㎏の耐性を持ちながら重量は木製の1/4。1100×1100mmの標準サイズで5kgしかありません。プラパレも結構重さがありますから、作業者の負担軽減にもつながります。また、基本的にオーダーメイドでつくりますから、サイズだって自由自在。積むモノ・積み方によっては大幅な効率化も図れます。

 さらに、エッジボード(紙製Lアングル)と組み合わせれば、プラケースを使用しない輸送ができるかもしれません。全部ではなくても、一部をこのような紙製品に置き換えることができれば、年間で大幅な減プラにつながります。

燻蒸不要、超軽量の紙製パレット
「APPAパレット」

・重量約5㎏、木製パレットの1/4の軽さ
・ハニカム状天板と紙管製桁材で抜群の強度
・お客様仕様に合わせたサイズで製造
・廃棄しやすく、廃棄コストもセーブ

紙製保管・輸送用紙製L型アングル材
「エッジボード」

・積層板紙材によるタフ構造
・多様なサイズをプレカットでラインナップ
・ムダなく、完全リサイクルできる素材
・軽量で、重量軽減に貢献。輸送費セーブにも

 最後に紹介するのは、ポリ材にエアーを入れた緩衝材から紙緩衝材への置き換えです。

 お客様から、脱プラ推進のためにエアー緩衝材からの置き換えを求められてはいませんか?でも、紙緩衝材はクシャクシャにする手間がかかるため、作業性はイマイチ。かといってこのためにコストのかかる自動機を入れるのもなぁ・・・・・・わかります!では、電気不要、引っ張るだけで紙がクシャクシャになる器具があればどうでしょう。

ボーガス(紙緩衝材)ディスペンサー
「スパット」

・環境に優しい紙緩衝材で減プラを実現
・紙を引くだけでクシャクシャに
・作業者にあわせてヘッドパーツ高さ調整が可能
・キャスター付きで移動もラクラク

まとめ

 いかがですか、「脱プラ」ではなく「減プラ」。プラを「使わない」から「減らす」へ考え方を切り替えれば、できることも増えてきます。ここで紹介した以外にも、もりや産業にはスグできる「減プラ」ソリューションがもっともっとあります。お気軽にご連絡いただければ、あなたの事業所でのベストソリューションを提案します。悩むより、ご相談を。数十年にわたり蓄積された物流ノウハウできっとお役に立てることがあります。