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2026.09.04
業界コラム

倉庫や工場でパレットを動かす際、「重いハンドリフトを何度も引くのが大変」「作業者によって運搬スピードに差が出る」「重量物の搬送をもっと省力化したい」と感じることはないでしょうか。
こうした物流現場の負担軽減に役立つのが、電動ハンドリフトです。
従来の手動式ハンドリフトは、比較的シンプルで使いやすい一方、重量のある荷物を運ぶときには作業者に大きな負担がかかります。特に一日に何度もパレットを移動する現場では、「一回の作業は短くても、積み重なると大きな負担になる」という問題が起こりがちです。
電動ハンドリフトなら、走行や昇降を電動化することで、人の力に頼っていた作業を省力化できます。
さらに現在では、単にパレットを電動で運ぶだけでなく、高い位置まで荷物を持ち上げられる自走式リフターや、決められたルートを無人で搬送できる機器など、用途に合わせたさまざまな選択肢があります。
この記事では、電動ハンドリフトの基本的な仕組みから、手動式との違い、導入メリット、選ぶ際のポイントまで詳しく解説します。自社の物流現場を改善したい方は、ぜひ機器選定の参考にしてください。

電動ハンドリフトとは、パレットなどの荷物を持ち上げて移動するハンドリフトのうち、走行やフォークの昇降にモーターなどの動力を利用する運搬機器です。
「電動ハンドパレット」「電動パレットトラック」などと呼ばれることもあります。
一般的なハンドリフトでは、パレットの差込口にフォークを挿入し、パレットを床からわずかに持ち上げた状態で移動させます。手動式の場合、フォークを上げるためのポンピングや荷物の移動を人の力で行う必要があります。一方、電動タイプではこれらの作業を電動化できるため、重量物を繰り返し搬送する現場ほど作業負担を軽減しやすくなります。
最近では、電動ハンドリフトの機能も多様化しています。
走行と昇降の両方を電動化したタイプ、高い位置への荷役まで行えるタイプ、決められたルートを自動走行するタイプなどがあり、「人が荷物を運ぶ」という作業そのものを見直せるようになってきました。
そのため電動ハンドリフトは、単なる運搬機器というより、物流現場の省人化・省力化を考える際の選択肢のひとつといえます。

「今使っている手動ハンドリフトでも荷物は運べるので、電動化する必要があるのだろうか」と考える方もいるでしょう。確かに、搬送距離が短く、荷物が軽く、使用頻度も少ない現場では手動式で十分な場合があります。
しかし、搬送する荷物が重くなったり、一日に何度も運搬したりするようになると、人力で動かすことそのものが現場のボトルネックになりやすくなります。
手動ハンドリフトは、構造が比較的シンプルで導入しやすいことが大きな特徴です。
一方で、重量物の移動では「動き始め」に大きな力が必要になります。
たとえば軽い台車であれば簡単に押せても、重量物を載せた台車は最初の一押しに力が必要です。ハンドリフトも同様で、荷物が重くなるほど作業者に求められる身体的負担も大きくなります。
さらに、運搬距離が長ければ負担は増えます。
1回だけなら問題がなくても、それを一日数十回繰り返せば、腕や肩、腰などへの負担を無視できなくなります。
電動ハンドリフトの場合、モーターの力を使って走行できるため、人が重量物を強く引っ張ったり押したりする作業を減らせます。また、電動昇降に対応した機種なら、手動式のように何度もハンドルをポンピングする必要もありません。
つまり電動化の大きな目的は、単純に「楽に動かせるようにする」ことだけではありません。
作業者の体格や腕力に左右されにくい作業環境をつくり、作業を標準化しやすくすることにも意味があります。

電動ハンドリフトを導入する大きなメリットが、作業者の負担を軽減できることです。
手動式では、積載重量が大きくなるほど押す・引くといった動作に力が必要になります。電動走行式なら、モーターが移動をアシストするため、人が力任せに重量物を動かす必要がありません。
特に、同じ搬送作業を何度も繰り返す物流倉庫や工場では、一回ごとの差は小さくても、一日単位・一か月単位で見ると負担の差は大きくなります。
人手不足が進む現場では、「一部の力のある作業者しか担当できない作業」を減らしていくことも重要です。
手動式ハンドリフトでは、荷物の重量や作業者によって移動速度に差が生じます。
特に長い距離を搬送する場合、重量物を人力で移動させ続けるのは簡単ではありません。
電動走行なら荷物を移動させやすくなるため、パレット搬送にかかっている時間を見直せる可能性があります。
たとえば「荷物を取りに行く→ハンドリフトで運ぶ→荷物を置く→元の場所に戻る」という作業を一日に何十回も行っている場合、一回あたりの作業時間を短縮できれば、その効果は現場全体へ広がります。
物流現場では、作業者の年齢や性別、体格などがさまざまです。
人力による運搬では、どうしても作業者の筋力や経験によって作業効率に差が生まれます。
電動化すれば、荷物を動かすために必要な力を機械が補助してくれるため、作業者個人の身体能力への依存を減らしやすくなります。
採用難や高齢化といった課題を抱えている現場ほど、「誰が作業するか」だけでなく「誰でも作業しやすい設備になっているか」という視点が重要です。
大型のフォークリフトを導入したくても、十分な通路幅や旋回スペースを確保できない現場もあります。
電動ハンドリフトは比較的コンパクトな機種が多く、倉庫内や工場内、店舗バックヤード、コンテナなど、限られたスペースでの搬送にも適しています。
機種によってサイズや旋回性能は異なりますが、「大型車両を入れるほどではないものの、人力だけでは大変」という工程を電動化したいときに検討しやすい機器です。
物流の自動化というと、大規模な自動倉庫や搬送システムをイメージするかもしれません。
しかし、すべての工程を一度に自動化する必要はありません。
まずは重量物を運んでいる工程を電動ハンドリフトに切り替え、次に荷物の昇降作業を電動化し、搬送ルートが固定されている工程については無人搬送を検討するといった段階的な改善も可能です。
「人がやらなくてもよい移動」を少しずつ機械へ任せていくことが、現実的な省人化につながります。

電動ハンドリフトは、「最大積載荷重が大きければよい」というものではありません。
実際の選定では、荷物だけでなく、使用するパレットや作業環境まで確認する必要があります。近年の電動ハンドリフトの選定情報でも、積載荷重に加えてフォーク最低位、フォーク長、フォーク幅、パレット種類などの確認が重視されています。
まず確認したいのが、日常的に運搬する荷物の重量です。
「普段は500㎏程度だから500㎏対応でよい」と単純に考えるのではなく、最も重い状態でどの程度になるのかを把握しておきましょう。荷物そのものだけでなく、パレットなどを含めた状態を想定して選定することが重要です。
将来的に扱う荷物が変わる可能性がある場合は、その点も含めて機種を検討すると買い替えを防ぎやすくなります。
電動ハンドリフトを導入するときに見落としやすいのが、パレットとの相性です。
フォークが差込口に入らなければ、十分な積載能力がある機種でも使用できません。
確認したいのは、フォークの外幅、長さ、最低位と、パレット側の差込口の寸法や底面形状です。
特にパレットの底面構造によっては、フォーク先端のローラーが入らないことがあります。
機器を購入してから「既存のパレットに使えなかった」とならないよう、選定段階で実物のパレット寸法まで確認することが重要です。
一回の搬送距離が数メートルなのか、倉庫の端から端まで何十メートルも移動するのかによって、必要な機能は変わります。短距離かつ低頻度なら手動式でも対応できるかもしれません。
しかし、長距離搬送を何度も繰り返している現場であれば、電動走行のメリットが大きくなります。
さらに、毎日ほぼ同じルートを往復しているなら、人が操作する電動ハンドリフトだけでなく、無人搬送まで視野に入れる価値があります。
ハンドリフトは基本的に、パレットを床からわずかに浮かせて移動するための機器です。
一方、棚への収納や作業台の高さまで荷物を持ち上げる必要がある場合は、一般的な電動ハンドリフトではなく、昇降能力の高いリフターが適しています。
「横方向の搬送」と「縦方向への昇降」を分けて考えると、必要な機器が見えやすくなります。

電動化すれば、すべての物流現場が自動的に効率化するわけではありません。
重要なのは、現在の作業を確認したうえで機器を選ぶことです。
たとえば、使用するパレットとフォーク寸法が合っているか、機器が曲がれるだけの通路幅があるか、床面に大きな段差がないか、充電場所を確保できるかといった点は事前に確認しておきたいところです。
また、電動式は手動式より簡単に重量物を動かせるからこそ、安全な操作方法を現場内で統一することも重要です。
走行ルートや歩行者との動線、荷物の積み方、停止位置などについても運用ルールを決めておくとよいでしょう。
特に安全性については、単に最大積載荷重だけを見るのではなく、緊急停止機能や速度調整機能、障害物への対策など、機器に搭載されている安全機能も確認して選ぶことが大切です。
ここまで説明してきた通り、「電動ハンドリフトが必要」と考えていても、現場の課題によって最適な機器は変わります。判断しやすいのは、現在の課題を「運ぶ」「持ち上げる」「人が運んでいる作業そのものをなくす」の3つに分けて考える方法です。

「手動ハンドリフトで重量物を運ぶのが大変」「パレット搬送を電動化したい」という現場に適しているのが、電動ハンドリフト「サイゴウリフト」です。
サイゴウリフトは走行と昇降を電動化しており、スロットル操作によって走行できます。ボタンで低速モードに切り替えられるほか、ハンドルを垂直にした状態で走行できるモードも搭載されているため、コンテナ内や棚の間など、スペースが限られた場所での取り回しにも配慮されています。
最大積載荷重1,500kgまたは2,000kgの機種があり、フォーク幅・フォーク長・最低位の異なる複数タイプから選べる点も特徴です。また、バッテリーはカートリッジ式で、約3時間の充電で約3時間の連続使用が可能とされています。
特に適しているのは、
「手動ハンドリフトから電動タイプへ切り替えたい」
「重量物の移動による作業負担を減らしたい」
「狭い倉庫やコンテナでも使いたい」
といった現場です。
まずパレット搬送を電動化したい場合は、最初に検討しやすい選択肢といえるでしょう。

パレットを床面で移動するだけでなく、「荷物を一定の高さまで持ち上げたい」という工程では、自走式パワーリフターが選択肢になります。
「自走式パワーリフターSU」は、走行・昇降を電動化した自走式リフターです。
FETチョッパー方式による無段変速制御が採用されており、作業環境や荷物に合わせて走行スピードを調整できます。加減速を滑らかにすることで、荷崩れや衝突リスクの低減にも配慮されています。
さらに、クッション性のあるノーパンクタイヤやキャスターカバーなど、安全性・操作性を意識した装備も採用されています。高所への荷役に対応するWマストタイプでは、最大揚高2,150mmの機種も用意されています。
そのため、
「床から床へ運ぶだけでは足りない」
「作業台や一定の高さまで荷物を上げたい」
「重量物の移動と昇降をまとめて省力化したい」
といった現場では、一般的な電動ハンドリフトよりも自走式パワーリフターが適している可能性があります。

電動ハンドリフトを検討している企業の中には、さらに一歩進んで「人がハンドリフトを操作して運ぶ時間そのものを削減したい」というケースもあるでしょう。
その場合に検討したいのが、無人搬送機能を備えた「デリバリーハンド ABMシリーズ」です。
デリバリーハンドは、床に設置した磁気テープに沿って無人走行できる電動ハンドリフトです。直置きされたパレットやメッシュパレットを自動で搬送でき、電動走行による手動操作にも対応しています。
最大1,500㎏まで搬送でき、オプションの交通管制機能を追加することで複数台運用にも対応します。
また、荷幅検出ロッドセンサー、障害物接触バンパー、進行方向の光センサーなど、安全な無人搬送を支える機能も搭載されています。
たとえば、工場内で
「製造ラインから一時保管場所まで」
「倉庫から出荷工程まで」
「同じ2地点を一日に何度も往復する」
といった定型的な搬送が発生している場合、その移動作業を自動化できる可能性があります。
人がハンドリフトを押して何往復もしている工程は、一回ずつを見ると数分でも、年間ではかなりの作業時間になります。そのため、搬送回数が多くルートが固定されている現場では、単純な電動化にとどまらず「無人搬送」という視点から設備を検討することも重要です。
電動ハンドリフト、自走式リフター、無人搬送機は、それぞれ得意とする作業が異なります。
「どの機器を選べばよいか分からない」という場合は、まず現在の現場で何を省力化したいのかを整理すると選びやすくなります。
| 現場の課題・目的 | 適した機器 | 特徴 | おすすめの商品 |
| 重いパレットの移動を 楽にしたい | 電動ハンドリフト | 走行・昇降を電動化し、 重量物搬送の負担を軽減 | サイゴウリフト |
| 荷物を運ぶだけでなく、高い位置まで持ち上げたい | 自走式リフター | 走行と昇降を電動化し、荷物の移動から高さ調整まで対応 | 自走式パワーリフターSU |
| 決まったルートの搬送作業を 自動化したい | 無人搬送機 | 人が操作せず、一定ルートでパレット搬送を自動化 | デリバリーハンド ABMシリーズ |
つまり、「運搬を楽にしたい」なら電動ハンドリフト、「運搬+昇降まで省力化したい」なら自走式リフター、「搬送作業そのものを人から切り離したい」なら無人搬送機という考え方です。
ただし、実際の機種選定では、荷物の重量だけでなく、使用しているパレットの寸法や形状、通路幅、搬送距離、必要な揚程、使用頻度なども確認する必要があります。
そのため、最初から特定の商品を決めるのではなく、「現在どの工程に最も負担がかかっているのか」を整理したうえで、現場条件に合った機器を選ぶことが重要です。

電動ハンドリフトを導入するときは、カタログのスペックだけで判断せず、実際の現場条件を整理しておくことをおすすめします。少なくとも、普段運んでいる最大重量、パレットの種類・寸法、搬送距離、通路幅、使用回数、荷物を持ち上げる必要がある高さを確認しておきましょう。特に重要なのが、「現状の作業を数字で見る」ことです。
たとえば、
「1回30mの搬送を、1日40回行っている」
「1回の搬送に約3分かかっている」
「重量物搬送を担当できる作業者が限られている」
といった情報が分かれば、電動化によって改善できる工程も見えやすくなります。
物流改善では、単に新しい機械を導入することが目的ではありません。
人が行っている作業の中から、「機械に任せられる作業」を見つけることが重要です。

電動ハンドリフトは、重量物を載せたパレットの搬送を省力化し、作業者の身体的負担や日々の搬送作業を軽減するために役立つ機器です。
特に、手動ハンドリフトで重量物を一日に何度も運んでいる現場や、搬送距離が長い現場では、電動化によって作業環境を改善できる可能性があります。
ただし、電動ハンドリフトは最大積載荷重だけで選べばよいわけではありません。
使用しているパレットの種類や寸法、フォークの差込条件、通路幅、搬送距離、必要な揚程、使用頻度などによって、適した機器は変わります。
また、解決したい課題によっても選択肢は異なります。
パレット搬送の負担を軽減したいなら「サイゴウリフト」、搬送に加えて高い位置への昇降も省力化したいなら「自走式パワーリフターSU」、決められたルートを繰り返し搬送しているなら「デリバリーハンド ABMシリーズ」というように、現在の作業内容から逆算して検討することが大切です。
とはいえ、
「今使っているパレットに対応できるのか分からない」
「電動ハンドリフトと自走式リフターのどちらが適しているのか判断できない」
「現在の搬送工程をどこまで省力化・自動化できるのか相談したい」
といったケースも少なくありません。
もりや産業では、電動ハンドリフトをはじめ、リフターや無人搬送機など、物流現場の省力化につながるさまざまな機器を取り扱っています。
現場によって最適な機器は異なるため、製品を決めてから問い合わせる必要はありません。
使用しているパレットや荷物の重量、搬送距離、現在お困りの作業などをもとに、自社の現場に適した機器を検討したい方は、もりや産業までお気軽にお問い合わせください。

A.大きな違いは、走行や昇降に人の力をどの程度使うかです。手動ハンドリフトでは、ハンドルのポンピングや荷物の移動を人力で行います。一方、電動ハンドリフトでは走行や昇降をモーターで行えるため、重量物を繰り返し搬送する現場で身体的な負担を軽減できます。
A.物流倉庫、工場、配送拠点、店舗バックヤード、コンテナ内など、パレットに載せた荷物を繰り返し移動する現場に適しています。特に、重量物の搬送距離が長い場合や、一日の搬送回数が多い現場では電動化を検討するメリットが大きくなります。
A.すべてのパレットに使用できるとは限りません。フォークの幅や長さ、最低位だけでなく、パレットの差込口や底面構造まで確認する必要があります。導入前には、使用する機種と既存パレットの寸法・形状が適合するか必ず確認しましょう。
A.一般的な電動ハンドリフトは、パレットを床から少し浮かせて移動する用途が中心です。作業台や棚など一定の高さまで荷物を上げる必要がある場合は、自走式パワーリフターなど、高い揚程に対応した機器を検討する必要があります。
A.搬送ルートや現場条件が合えば、自動化できる場合があります。「デリバリーハンド ABMシリーズ」は、磁気テープに沿って決められたルートを走行できるため、同じ区間を繰り返し搬送する工程の省人化に役立ちます。