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2024.09.12
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さてさて、前回は材質と重量について各種パレットの解説をしましたが、今回は引き続き値段も交えて解説していこうと思います。木・プラスチック・鉄・アルミ・紙など、パレットの素材も多様化してきましたが、もちろん値段もそれぞれ違います。
パレットの選択はコストだけではなく機能や環境とのバランスによって決めていくのがよいと思いますが、その選択肢をひろげていただくためにも、ぜひ今回の記事をご覧ください。これまで木製パレットだけのイメージが、変わるかもしれません!?
まずはスタンダードな木製イチイチ(1,100×1,100mm)パレットについて解説します。結論から言って、値段がいちばん安いパレットは木製パレットです。
安いもので1枚あたり2,000円(配送費などを除くパレットのみの値段)から3,500円ぐらいでしょうか。もう少し高いものもあるようですが、値段の差は木の材質差によるところが大きいでしょう。
杉は軽く、割れやすく、マツは重く耐久性があります。海外の木材も重く耐久性のあるものが多いようです。いろいろな形状が木製パレットにはありますが、そちらの価格についてはここでは省かせて頂きます。
木製パレットのメリットは、安さと流通性にあります。国内の場合、パレットは日本全国を巡り、どのパレットが自社のパレットかという考え方はあまりありません。ローコストで、各社で回し使いができることは利点です。
デメリットとしては、やはり重さがまず挙げられます。パレット重量は積載重量に含まれますから、重量対比の輸送費の場合はパレット分の重量も価格に反映され割高になります。また、海外輸出には燻蒸が必要な関係からあまり向きません。
さらにヨーロッパ向けではイチイチ(1,100×1,100mm)ではなくユーロパレット(1,200×800mm)規格での輸送が必要で、パレット価格も割高になります。もともと、ユーロパレットはヨーロッパ国間、ヨーロッパ各国内で発達したパレット流通の仕組みですから、ワンウェイの輸出用としては規格外で燻蒸処理が必要、さらに認証も必要になるため、あまりメリットはありません。
前回の記事で木製パレットの生産量が減少傾向にあることをお伝えしましたが、その原因に木材の高騰による原価向上、森林伐採に関する影響があります。SDGsの観点からも木製パレットの減少傾向は今後続いていくことが予測されます。
中に1,500円という激安品もあるようですが、かなり安いものでも2,000円~、一般的には4,000円~、有名メーカーのパレットで20,000円以内ぐらいで販売されています。価格には、耐荷重も大きく関係します。
外形がイチイチサイズでも、肉厚にすればプラパレはグッと耐荷重が高まります。耐荷重が1~5トン(動荷重)と幅があるのもそのためですが、使用するプラの量も大きく変わりますので値段に幅が出てきます。
つまり見た目が同じでもプラの厚みによって価格も耐荷重も大きく変わってくるところがポイントです。また、プラパレは耐水性に優れています。水濡れのあるような使用環境では大変便利で、安心して使えます。
デメリットとしては、ゴミとして破棄しにくい点があります。直感的にも、ちょっとやそっとでは捨てられない感じがありますね。新しいうちはいいのですが、古くなってきたり、破損したりすると捨てかたに困ります。
また、世の中の脱プラの流れを鑑みるとプラパレは環境対策に厳しい企業で敬遠される場合もあります。そのような点から、リサイクルプラパレも誕生していますが、やや割高になります。冷蔵・冷凍倉庫など、プラパレの利点を最大限に活かせる環境ではリサイクルプラパレはよい選択になるでしょう。
金属性パレットは大きくスチール製とアルミ製に分けることができます。スチール製パレットは通常のイチイチパレットの形状のほかにメッシュパレットと呼ばれる、いわゆるカゴ車形状もありますが、ここでは除外します。
スチールパレットのメリットは使われている場所を考えるとよくわかります。食品材料置き場に使われているのは、虫が発生しなくて衛生的だから、建設資材置き場に使われているのは頑丈だから、化学薬品置き場に使われているのは耐薬品性がメリットです。
流通というよりも、ものを置くときのベースとして使用されることが多そうです。また、木製パレットが廃棄時には産業廃棄物であるのに対して、スチールパレットは有償リサイクル材となり値段が付きます。
デメリットは、「重い」「高い」「錆びる」こと、意外と耐荷重(動荷重)が大きくないところでしょうか。錆については、亜鉛メッキ処理(防錆)で対策されています。また、プラパレでは問題が発生することもある薬品を載せられるなど、使い方が選ばれるパレットです。
アルミ製パレットはスチール製の堅牢性、耐薬品性、衛生的に軽量性というメリットを加えた、いわばいいとこ取りのパレットです。堅牢で丈夫、曲げやねじりにも強く、変形もほとんどありません。
防虫・防カビ・消毒薬耐性が必要な食品業界、衛生管理に厳しい化学品・医療業界、耐重製が必要な建設業界で用いられます。耐用年数だって10年保たせることもできますし、リサイクル時の有償価格もいい値段で引き取ってくれる。このようにいいところがいっぱいです。
いいところいっぱい・・・いっぱいなんですが、高いんです!値段はパレット界イチ高い!安くても30,000円以上、高いものだと50,000円を超えます。
多い価格帯で45,000円ぐらいでしょうか。パレット界の高級車みたいな位置づけですが、耐用年数と使用環境、リサイクル性を考えて、適材適所的に導入するのがおすすめです。
紙製(段ボール製)パレットのメリットは、軽さはちろん、海外輸出時に燻蒸不要であることや、廃棄時のリサイクル性の高さ、SDGsへの貢献などが挙げられます。一方、デメリットは耐荷重がやや低いこと、水濡れに弱いことでしょう。
紙製パレットは環境面での効果が注目されています。木製パレット、プラスチック製パレットの環境的な問題が克服できるため、需要が少しずつ広がっています。みなさんの回りでも、いつの間にか緩衝材がプラ・ポリマー製から段ボール製に変わっていたりしませんか?
もりや産業でも、この紙製パレットに注目しています。値段は安い木製パレット、プラパレよりもやや高くなりますが、トータルで考えると、ご購入いただくお客様にはそれをカバーしてもメリットが勝ると考えています。そのメリットについて次に説明していきましょう。
パレット天面を底上げする桁材に紙管「パルラン」が使われているところがポイントです。紙管を縦方向に配置することで強度が高まり、耐水性も向上しています。イチイチパレットでの耐荷重は約850㎏。木製パレットの1,000㎏には届きませんが、多くの荷物はこの耐荷重でまかなえます。
紙製ですから、カットも簡単。ユーロパレット(1,200×800mm)サイズへの対応もバッチリです。荷物に合わせたサイズでパレットを作成するとコンテナなどの積載効率が良くなります。
イチイチパレットの形状でなくても、製品に合わせた形状のパレットを敷き詰めることで、輸送効率が大幅にアップします。逆に、大きな製品に合わせての制作ももちろん可能。納品時などワンウェイの輸送なら、規格外パレットもアリですね。
段ボールは古紙回収率95%以上、古紙利用率90%以上のとても優れたリサイクル材です。段ボールと紙管を原料とするAPPAパレットは、廃棄時に産業廃棄物とならないため処理費用は安価に抑えられます。特に製品納品時などのワンウェイ使用では受取側の企業に喜ばれることでしょう。
海外輸出時に木製パレットで必要な燻蒸処理、燻蒸証明は不要です。
物流業界では人手不足の深刻さもあり、女性や高齢者の現場進出も目立ってきました。木製パレットに比べて1/5の軽さの段ボールパレットなら、取り扱い作業の負担も少なくてすみます。働き方改革や人材募集に効果が期待できます。
ヨーロッパなど環境先進国では、EUプラスチック税が施行されるなど、プラスチック使用について強い規制がかかりはじめ、ますます強くなる傾向にあります。現在、プラパレはこの対象ではありませんが、規制のための準備が必要と思われます。
APPAパレットの最大のポイントは、サイズフリーでオーダーが可能な点です。
サイズの制限が無い為、お客様の荷物に合せてパレットの選定ができ、積載効率の改善に繋がります。
もりや産業が紙製パレットをおすすめする理由のひとつに、お客様ワークフローの持続性があります。この先、環境面から木製パレット、プラパレの使用可能領域が狭まってくることを懸念しています。
いつかは、使用に強い制限がかかり、ビジネスに大きな影響があるかもしれません。確かに、現時点での値段差は少しあります。でも、この先を考えると一部でも、少しずつ紙パレットの導入を具体的に行っていく必要があると思います。
一気にすべてを変える必要はありません。私たちが推奨する「できるところから、コツコツと」で始めるのはいかがでしょうか。紙パレットの導入については、事例・経験豊富なもりや産業にぜひお声がけ下さい!ご連絡をお待ちしています。