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2023.11.28

業界コラム

ヒアリ!見つけてしまったら!?

 とある港湾都市の荷揚げバース、すぐにかたづける仕事は終わったので海を見ながらちょっと一服。ふぅーと一息ついて足下を見ると何やら赤く動く点が?よくよく見るとあちこちにいる!・・・もしかしてコレが「ヒアリ」!!

 こんなとき、あなたならどうしますか?

 なんかよくわかんないけど、ヤバいやつだった?届け出とかいるのかな?・・・など出てくるのは疑問ばかり。とりあえずややこしそうだから立ち去ろ・・・ダメですよ!!ヒアリは要緊急対処特定外来生物で、「まん延した場合には著しく重大な生態系等に係る被害が生じ、国民生活の安定に著しい支障を及ぼすおそれがある」生き物です。

 2017年6月に神戸港で初めて発見され、以降、2023年11月時点までで累計111事例が確認されています。(環境省Webサイト※より)そのほとんどがコンテナヤードでの発見で、日本ではまだ住宅地へ進出したヒアリの蟻塚は確認されていません。まさに水際対策。見逃せば、そのヒアリが第一号の住宅地蟻塚を作ってしまうかもしれません。

 ここはしっかりと知識を備え、もし見つけたら冷静に対処しましょう。
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/2023hiari.html

まずは、ヒアリかどうかの判断を

 ヒアリに対処するためには、まず、ヒアリかどうか判断する必要があります。とりあえず以下のことを記憶して下さい。

 ・ヒアリはオス以外赤褐色。赤っぽくてツヤツヤしています。オスは黒くて羽根がありますが少数です。よって、翅(はね)がない黒いアリは全部ヒアリではありません。

 ・よく似た赤い(赤褐色)アリに「アカカミアリ」があります。見分けが付きにくいですが、これも要緊急対処特定外来生物なので、もうヒアリ扱いでOK!ヒアリに比べてちょっと弱い毒性です。
 
 ・アリグモもヒアリと似ていますがこちらは足が8本です。8本足なら問題ありません。
 
 ・群を見たとき、体長は2.5~6mmとバラバラ感があります。逆に同じ大きさのアリの群れはヒアリではありません。

 そして、よくわからないけれど以上の特徴を踏まえてイヤな予感がしたら、とりあえず携帯で写真をとって以下まで連絡しましょう。

たぶんヒアリだ・・・その後の対処はどうする!?

 ヒアリ相談ダイヤルに連絡すればその場の対処は教えてくれますが、まずは連絡の前に安全確保しましょう!体のどこかに付いていませんか?上着やズボンをよく見ましょう。ヒアリは日本在来種のアリと比べてとても攻撃性の高いアリです。踏んだり、刺激しないようにそろっと離れて、第一に体への付着がないことを確認します。

 対処方法はシンプルに殺虫剤です。手元になければ、すみませんが日本のため、購入して対処をお願いできますでしょうか。その他に熱湯でも駆除できますし、一般的なアリ対策薬品(粉末散布薬)なども使えます。

 ちなみに、相談ダイヤルに連絡しても、専門家が確認・確定するまで数日かかります。先に殺虫剤で対処してしまいましょう。

それでもヒアリに噛まれてしまったら

 「痛ッ」というより、どちらかといえば「熱ッ」と感じるような激しい痛み。これがヒアリ=「火蟻」の語源です。噛まれた、と思ったらまずは20~30分安静にして体調に変化がないか見ましょう。ヒアリの毒は軽症から即時型アレルギー反応による死亡まで、人によって大きく症状が変わります。容態に異変を感じたらすぐに医療機関にかかるようにします。

・軽度:痛みやかゆみ
激しい痛みの後、やがて刺された後がかゆくなります。10時間ほど経過すると膿が出てきます。
 
・中度:じんましんの発症
数分~数十分後に刺された箇所を中心に腫れがひろがり、部分的、ときには全身に発疹(じんましん)が発症します。
 
・重度:呼吸困難/血圧低下/意識障害
刺されて数分から数十分の間に息苦しさ、声がれ、激しい動悸、めまいなどを起こし、場合によっては意識を失うこともあります。この症状は重度のアレルギー反応「アナフィラキシー」かもしれません。生命の危険も伴うため可能な限り早く、医療機関で手当を受けます。

ヒアリに噛まれた場合は、たとえ軽度であっても医療機関にかかりましょう。アレルギーによるショックは軽傷でも用心するに越したことはありません。

積極的なヒアリ対策を

 ヒアリは、南米が発生地ですが、船舶などの貿易貨物に付随して各地にひろがり、すでに北米、中国、台湾、オーストラリアで定着しています。日本には特に中国、台湾からのコンテナに付随して多く入ってくることが確認されています。

 環境省からは特に中国、台湾からのコンテナについて出荷時の外観、空状態の内部、輸入時の外観、荷物搬出後のコンテナ内部での目視確認協力を要請しています。一度国内で定着すれば排除することが困難なため、関係各所のみなさまはたいへんですが、今日も水際の対策を行っていただいています。ありがとうございます。このコラムでは、さらに積極的な方法を案内したいと思います。

 2020年4月、兵庫県立「人と自然の博物館」(兵庫県)や国立環境研究所(茨城県)の研究グループが、わさびの辛味成分で作った市販の防臭剤が効くことを発見、辛み成分「アリルイソチオシアネート」がヒアリ駆除に有効であると論文発表しました。

 その後、兵庫県立大学が2022年3月28日に国際科学誌「Applied Entomology and Zoology」(オンライン版)において、天然由来の安全な防虫・殺菌効果を持つわさび成分が、コンテナ貨物輸送において特定外来生物ヒアリの忌避剤として有効活用できることを明らかにしています。

 わさび成分は天然由来のため安全です。また、防カビ、消臭効果もあるため船舶輸送には大きな効果が期待できます。

 もりや産業ではこのわさび辛み成分をポリエチレン等のマイクロカプセルにして練り込み、様々な用途に使用できるように開発したWasaP”「わさびー」を販売しています。以下にご紹介しましょう。

防虫に加えて防カビや消臭も!鮮度保持剤「WasaP”(わさびー)」をヒアリ対策に

 わさび辛み成分をマイクロカプセルに練り込み、さまざまな大きさの通気性のある袋に入れて、その揮発効果で防虫、防カビ、消臭、抗菌が可能な「WasaP”(わさびー)」は、密閉した容器に入れておくだけで効果を発揮します。

 化学薬品のような臭い移りもほとんどなく、忌避効果でコンテナへのヒアリ侵入を防ぎます。さらに輸送中の防カビ、消臭効果もありますから一石二鳥、三鳥ですね。いったん、ヒアリがコンテナで発見されてしまうと、完全な駆除が確認されるまでそのコンテナや商品は動かせなくなります。

 転ばぬ先の杖として、「WasaP”(わさびー)」の活用をご検討ください。

商品紹介

 防カビ・消臭・抗菌・防虫(忌避)鮮度保持剤「WasaP” わさびー」
・揮発性成分の刺激で虫の呼吸器にダメージを与える、高い防虫(忌避)効果
・ガス化成分が空気中の胞子を攻撃し、カビの繁殖を抑制
・処理後に臭いが残らず、特にアンモニア臭や腐敗臭に効力を発揮
・大腸菌やサルモネラ、腸炎ビブリオなど食中毒の原因となる有害菌を抑制

まとめ

 都市、住宅街でヒアリを見つけてしまうことはほぼないでしょう。しかし,港湾での船舶輸送やコンテナ関係の取り扱いをする人は接触機会があるかもしれません。また、海への立ち寄りや、海外製の荷物を取り扱ったときも遭遇する可能性はゼロではありません。そんなとき、ヒアリについての知識があるとないとでは対処に大きく差が出そうです。

 一度国内で定着してしまうとその対策には莫大な費用がかかり、ときには人命さえ脅かすヒアリ。「わさびー」も活用していただきながら、ぜひ積極的な侵入予防を考えて頂ければと思います。