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2023.11.07

業界コラム

物流革新緊急パッケージとは?「2024年問題」にどう対策する!?

 またまた新しい言葉が政府から出てきました。「物流革新緊急パッケージ」です。何やら、切羽詰まった感じがしますが、どういったものかをまずは説明しましょう。

 「物流革新緊急パッケージ」(案)は、2023年10月6日、政府が開催する「第3回・我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」で表明された施策です。首相官邸で岸田総理は「物流の停滞が懸念される2024年問題が喫緊の課題」と述べ、今年6月に策定された「物流革新に向けた政策パッケージ」をふまえて早期に具体的な成果が得られるように、必要な予算の確保も含め緊急的に取り組むとしたものです。まずはその内容を見てみましょう。

 内容は、「物流の効率化」「荷主・消費者の行動変容」「商慣行の見直し」の3つに分けて提示されています。「物流の効率化」では物流DXの推進やモーダルシフト、「荷主・消費者の行動変容」では、遅く配達してもよい人や宅配ボックス受け取りをした人にはポイントを付与するというものが案の目玉です。「商慣行の見直し」では主に適正な運賃(引き上げ)について語られています。
 
 ・・・でも、コレだ!という実効性のある内容があまり見当たりません。2024年問題は、トラックドライバーの時間外労働が960時間を上限として規制されることから、輸送業界全体としての労働力が不足し、大きな影響を及ぼすというものです。根底には少子化による人口減少と労働のキツさによる職種離れがあります。政府は法律で960時間以上の残業には罰則を設けました。それはそれで、持続可能で健全な職場づくりには大切なことなのですが、一方、不足する輸送能力に対してこれでは実効性のある打開策が乏しいと思われます。

 何も対策をしなければ、2024年には14.2%の輸送能力が不足し、2030年には34.1%の輸送能力が不足するとされています。

 その対策とした「物流革新緊急パッケージ」の内容は、DX化、機械化、一部輸送を船舶や鉄道に任せるモーダルシフト、再配達の低減、ゆとりを持った受け取り、料金の底上げなどですが、この記事を書いている2023年12月から見た2024年って・・・もう目と鼻の先ですよ!?

 デジタル化や、モーダルシフトってそんなに急にはできません。あまりにも時間が切迫していますが、残念ながら現時点では「物流革新」を促進する補助金も付いていないのが現実です。また、予算規模も約350億円程度※と言われています。国家予算が100兆を超えるいま、潤沢とは言いがたい予算規模です。さて、どうすれば少しでも良い方向に向かうのか。それを一緒に考えてみましょう。
※「国土交通省関係 令和5年度 補正予算の概要」中、「物流の革新の実現に向けた取組」158億円+財政投融資200億円=358億円を根拠として

ウマい解決策ではなく、日々の改善で

 「物流革新緊急パッケージ」で具体的な方策が見られる部分といば、宅配BOXやゆとりを持った受け取りにポイントを付ける、といった部分でしょうか。今のところはポイントの支給方法など具体的な部分がまだ示されていません。

 デジタル化、機械化を推進しましょう、とのことですが、新たな補助金などは付いていません。つまり、「物流革新緊急パッケージ」は「やりましょう!ただし、それぞれの事業者が。」という内容なのです。個々の事業者が自社の2024年問題について考え、これまでの制度の中で合理化・機械化を行っていく必要があります。

 なんだか不安になりますが、それは具体的な打開策が見えないからです。でも、もりや産業にはそれがあります!今回は包括的な話になりますが、個々のお悩みについてはどしどしお寄せください。もりや産業に蓄積されたソリューションがきっとお役に立ちます。そのうちのいくつかをご紹介しましょう。

・俯瞰的に考え、将来性を見据えた改善計画を立てる

 当面、2024年問題の解決が目標ですから、まずは現状でどのくらい労働時間がオーバーフローするのかを見てみましょう。

許容残業時間はドライバー人数×960時間です。前年の残業時間を合計すれば、その差がわかります。差=時短目標です。あなたの事業所でいちばん時間がかかっているところはどこですか?例えばグラフにあるように、荷待ちに多くの時間を使っていませんか?それなら、そこが改善ポイントです。おおざっぱでもいいですから、まずは現状をよく見て問題点を把握しましょう。

 それができたら、お一人で悩まずにもりや産業にご連絡ください。物流機械化・合理化に特化した膨大なソリューションが蓄積されています。あなたの事業所に合うソリューションを提示させて頂きます。

「プロの意見を聞いて、間違った方向に行かない。」「どっちを向いて歩き出せばよいか。」を決めることが、この段階では大切です。

・あせらず、たゆまず、おこたらず

 2024年問題を2024年中に解決することは一旦、考えから外しましょう。どちらかと言えば、解決できない事業所のほうが多いでしょう。

 結局、ベストな解決は日々の気づきと改善の蓄積がもたらしてくれます。一朝一夕にはいきません。常に時短できないかを意識して、ちょっとでも合理化できそうなところを見つけたら、私たちにご相談ください。採算性も含めて、そのアイデアの可否についてずばりお答えします。

 肝要なのはゆっくりでも停滞することなく、後戻りせずに続けていくことです。「あせらず、たゆまず、おこたらず」です。

・思い立ったときにトレンドや情報の更新を

 DXとかデジタル化って言葉は聞くけど、たとえば、具体的な標準ソフトはどこのベンダーの何というソフトウェアなのか。いまは付いていない補助金もしばらくすれば付くかもしれません。

 そのような情報は思い立ったときにお尋ねください。数ヶ月もすれば情勢は変わっているかもしれません。あなたの計画に修正が必要なときもあるでしょう。もりや産業や、このブログにはそんな情報があるかもしれません。

 気になったらプロに聞いてみる。それも大切な施策のひとつです。

まとめ

 「物流革新緊急パッケージ」の内容を超簡単にまとめると以下になります。

・機械化、自動化で時短しましょう
・時短や賃金アップなど魅力ある職場づくりをしましょう

 政府の提言でなくても、それが持続可能な物流の未来であることを、すでに私たちは知っています。また、正解は事業所の数だけあります。2024年は到来しますが、あせることなく、より良い未来像を描きながら、手に届くところから改善をしていきましょう。必ず未来は変わります。