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2024.07.29

業界コラム

原油高による値上げを機に緩衝材について考えてみる…①

原油高をロシアショックがさらに押し上げ、緩衝材価格にも大きく影響

市井のガソリン価格を見れば170円前後はあたりまえ、政府はガソリン補助に踏み切るも、あまり効果が実感できない状況です。もちろん、原因は原油価格が上がっているからなのですが、まずは簡単にその状況を再確認してみましょう。

コロナウィルスの世界的流行が始まった当時、移動や輸送に急ブレーキが掛かり原油価格は大暴落しました。暴落により産油国側は生産量を絞り、結果、市場の原油在庫が次々に使われて世界的に在庫量が縮小、流通量の少なさから2021年の原油価格は上昇を続けます。さらに、追い打ちをかけるようにロシアショックが起こり、現在は円安の影響も受け、高止まりかつ不安定な状況です。

ポリエチレンを主成分とした気泡緩衝材や発泡シートもその影響を大きく受け、軒並み値上げされています。ここまでコストが上昇すると包装・梱包・物流に関わるみなさまへの圧迫も大きいものとなりますが、この原油価格高騰は原因がいつ解消されるかが不透明で、なかなか収まりそうにありません。

このコスト上昇問題にどう対処するか?
この問題が落ち着くまで、紙緩衝材の使用を検討されるお客様が増えてきました。紙製品も原油高の影響を受け値上がりしていますが、プラから紙への緩衝材見直しはSDGs貢献などの価格以外の利点も多く、検討の価値があると考えられているためと思われます。

紙緩衝材、一周回って流行ってます!

ふた昔以上前、荷物を開けると緩衝材に古新聞が使われていたことがよくありました。今の紙緩衝材はもっとスマートで色も各種あります。
手でクシャクシャと丸めて荷物の隙間に詰める紙緩衝材や段ボールを細かく裁断した物などがあり、現場の使い方によって使い分けができます。昔のスタンダードが一周回って再注目されているようにも感じますが、そんな紙緩衝材を作るのに便利なアイテムを紹介しましょう。

電源が無い・・初期コストは抑えたい・・

自動機を入れたいが電源が届かない…なるべく初期コストを抑えたい…などのご要望を良くお聞きします。そこでおススメなのが、手動式の紙緩衝材製造機です。

こちらは、市販のロール紙タイプのボーガスペーパーセットするだけで使用できます。紙を引き出すと同時に紙をクシャクシャにできるので、手動式ながらも紙をクシャクシャにする作業が省かれる紙緩衝材製造機です。

シンプルでとても頑丈にできており、安定感も抜群。物流センター・倉庫の梱包作業の強い味方となるでしょう。

ダンボール製のフワフワ緩衝材は?

たまに見るダンボール素材を網目状にした緩衝材。
アレ実は廃ダンボールを利用して社内で作れます。ドイツ製のダンボールシュレッダーProfiPackという機械は、装置のスリット部分にダンボールを差し込み軽く押し出すだけで、精緻なカットでダンボール緩衝材を作ってくれます。

最大加工厚さが10mmまで可能なため、2枚重ねや2層強化ダンボールの使用もできますから、使うダンボールを選びません。さらに、緩衝材に加工するサイズも設定できるので、あらかじめダンボール幅を所定の長さにカットしておく必要もなく、次から次へと差し込むだけで一定形状のダンボール緩衝材が作れます。

これまで、こわれやすい製品を包んでいた石油系気泡緩衝材の代わりにダンボールシュレッダーによる紙緩衝材を使用すれば、箱を開けたときに環境配慮への方針も伝わり、イメージアップにもつながるでしょう。

商品紹介

・手動式紙緩衝材製造機
「ボーガスディスペンサー スパット」

2個のキャスター付きで移動可能。
紙をつかんで手前に引くだけでクシャクシャに加工でき、梱包作業のひと手間削減。
ヘッドパーツの角度や高さも調節可能。

・ダンボールシュレッダー
「ProfiPack C400」

緩衝材費用、ダンボール箱廃棄費用を大幅削減。
ダンボール箱の再利用で環境に優しく持続可能な社会への取り組みにも貢献。
多機能・高性能ながらも直感的で操作しやすく、安全性にも十分に配慮。

まとめ

商品袋も、ストローもプラから紙への転換が起こっています。緩衝材も脱プラ、リサイクルといったSDGsの観点から、紙へと移っていく傾向が見られます。

企業のサステナビリティ格付けをする民間企業も現れており、得意先様からサステナビリティ格付けを上げるため、環境対応の資材や機械の使用を求められるケースもこれから出てくると思われます。

原油高によるプラ製品の高騰が続くいま、紙緩衝材へのシフトも考慮し少しずつSDGsへの対応も進められてはいかがでしょうか。