お役立ち情報 USEFUL INFORMATION
2025.01.22
導入事例
今回、弊社のゴミ圧縮減容機を導入いただいたお客様は沖縄県伊是名村役場 建設環境課様になります。伊是名島は沖縄本島北西にある自然豊かな離島で、歴史的名所や白い砂浜とコバルトブルーの海が魅力です。島全体を占める伊是名村は、伝統文化と豊かな自然に囲まれ、観光や歴史探訪の拠点として知られています。「いぜな88トライアスロン」や「ドラッグレースin伊是名島」などのイベントも盛んで、多く注目を集めておられます。
お引き合いの経緯は、島しょ性に起因するリサイクル体制の脆弱さなどの課題に対応するための沖縄県の事業である「島しょ型資源循環社会構築事業」の取り組みの中で、島しょ地域に適したプラスチック製容器包装ゴミ(以下「廃プラゴミ」と称する)の収集からリサイクルを効率的に行う体制を作るためのモデルケースとして試験導入を決められたことが経緯となります。
島しょ地域から排出される廃プラスチックをどうやって効率良く収集・輸送していくか?その課題解決のため、応用地質 株式会社様と株式会社 沖縄環境経済研究所様の協力を得て、選定・導入に至った機械が「小型ゴミ圧縮減容機 カンプレッサー5P型」になります。今回は、当機種をお選びいただいたポイントについてお伺いさせていただきました。
【お客様】
沖縄県伊是名村役場 建設環境課
https://vill.izena.okinawa.jp/soshiki/kensetsu/
応用地質株式会社
https://www.oyo.co.jp/
株式会社沖縄環境経済研究所
https://oeel.co.jp/
【機械メーカー】
株式会社クロダ
http://www.kuroda-corp.co.jp/index.html
「島しょ型資源循環社会構築事業」とは、 島しょ地域に適した資源循環社会の構築を図るため、県全域でマテリアルリサイクル等を効率的に行う体制の構築に向けて調査、検討する事業です。そのため、プラスチック、バイオマス、容器包装のリサイクル手法や体制について調査、検討し、リサイクル推進に必要となる技術の試行を通して市町村等の活動支援を行っています。
〇主な取り組み
・リサイクル率
沖縄県は、島しょ地域という地理的要因等から資源循環コストが高く、リサイクル体制が脆弱なため、一般廃棄物のリサイクル率が全国に比べ低くなっている。
・島しょ地域に適した資源循環社会の構築
本事業は離島市町村を含めた県全域でリサイクルを推進するため、資源循環コストを低減した効率的なリサイクル体制の構築に向けて調査、検討し、島しょ地域に適した資源循環社会の構築を目指す。
・技術支援等の実施
3分野(①プラスチック、②バイオマス(食品、木等)、③プラスチックを除く容器包装)のリサイクル手法、体制について調査・検討し、必要となる技術支援等を行うことを目的とする。
これらの取り組みを通じて、沖縄は環境に配慮した持続可能な島づくりを進めており、地元住民や企業、観光客の協力を得ながら、クリーンで循環型の社会の実現を目指しています。
右から伊是名村役場 建設環境課 課長 濱里様、主事 平良様
伊是名村ゴミ処理センター
「圧縮減容機 カンプレッサー5P型」の設置場所は、伊是名村役場から北西に車で約10分のところにある伊是名村ゴミ処理センターです。現在の廃プラスチックの処理は、センター内のゴミピットに他の燃えるゴミと一緒にしてゴミ焼却炉で焼却する方法を取られています。
このセンター運営の問題となっているのは、ゴミ焼却炉の運営コスト。ゴミ焼却炉は高熱にさらされる部分も多く、低温部については酸性ガスなどによる腐食も発生するため,耐火物や鋼板など定期的な修繕が必要になります。
これらの補修は、設備によって頻度や経費が異なるものの定期的な点検や修繕が必要になるため、多くの市町村にとって負担となっています。特に人口の少ない地域でのゴミ焼却炉は、その多大なコストが問題となっていました。
圧縮減容機 カンプレッサー5P型
先述の通り、ゴミを焼却炉で燃やすのはコストがかかるため、建設環境課様では、ゴミを燃やすのではなく廃プラスチックを分別収集してリサイクルする方が、ゴミ処理に掛かるコストを削減できると考え、廃棄物の削減とリサイクル強化を推進している「島しょ型資源循環社会構築事業」に参画することを決められました。ゴミの適切な処理とリサイクルを推進して、資源循環の仕組みの構築に舵を切られました。
この活動で課題となったのが、ゴミを島外搬出する際の運搬効率です。島内で処理できないゴミは島外に搬出するのですが、廃プラスチックはリサイクル施設に引き渡すため海上輸送する必要があります。廃プラスチックを海上輸送してくれる貨物船の積載量は限られていますので、できるだけ多くの廃プラスチックを島内で収集し、それを小さくまとめて運搬効率を高めることが求められました。
運搬効率を高めるための手法について検討を重ねた結果、より多くのゴミをベール化(収集したものを圧縮し、結束材で梱包してブロック状にしたもの)できる小型のゴミ圧縮減容機が適しているという結果になり、17トンの強力な圧縮力とヒモ掛け結束も可能な「カンプレッサー5P型」が選ばれました。
使用方法をご指導いただいた株式会社クロダ 黒田 浩司様
今回は使い方の説明と同時にPETボトルを使っての圧縮テストとなりました。ご説明いいただいたのは、今回、我々と一緒に現地入りをしてくださった圧縮機製造元である株式会社クロダの黒田工場長様です。各部位の説明、結束紐のセット方法、運転方法、ゴミの結束方法、運転時の注意点などをご説明いただきました。
圧縮機の使用方法については、実機をスタッフの皆様と一緒に使いながら、終始なごやかな雰囲気
でご説明いただきました。スタッフの皆様からいただいた質問にも懇切丁寧にご対応いただきました。
圧縮テストでは約11~12袋のペットボトルをわずか1ベールに圧縮することができました。この分ならとご担当者様、現場スタッフ様ともに今後の運用に手応えを感じられたテストとなりました。
株式会社沖縄環境経済研究所スタッフ様を交えての使用説明
圧縮前のPETボトル
圧縮後のPETボトル
伊是名村内の廃プラスチックの分別収集はこれからで、実証実験は令和6年度内を通して行われるとのことです。この実証実験にて、減容圧縮機が島嶼地域での廃プラスチックのリサイクルに有用であることが立証されれば、伊是名村様のケースをモデルとして、他の島しょ地域でもこの仕組みの導入が検討される可能性があるとのことです。それが、沖縄の自然を守る島しょ型資源循環社会の実現に繋がっていくのではと考えております。
引き続き、伊是名村役場 建設環境課様の資源循環に対する取り組みについて、お役に立てるご提案ができるよう、サポートして参りたいと思います。
今回のカンプレッサー5P型の導入事例のご紹介は以上となります。ここで紹介した以外にも、もりや産業にはご提案できる「現場改善」ソリューション事例が豊富にあります。お気軽にご連絡いただければ、あなたの事業所でのベストソリューションをご提案致します。悩むより、ご相談を!長年にわたり蓄積されたノウハウで問題解決に貢献させていただきます。