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2025.07.07

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初めての梱包機導入ガイド|コスト・機能・作業効率を徹底比較

 残業時間の削減や効率的な働き方が求められるいま、どの事業所もあの手この手で時短や効率化の工夫をしています。今回はそのような背景のなか、もう日常的とも言えるダンボール箱の「PPバンド掛け」について考えてみたいと思います。

 PPとはバンドの素材である「ポリプロピレン」の略で、だいたい350㎏までの梱包で使用されます。ちなみに、それ以上の重量には、約550㎏に耐えるPET(ポリエチレンテレフタレート)材、900㎏まで耐えるエステル系繊維材、そして2,000㎏まで梱包できる金属バンドがあります。とは言え、やっぱりPPバンドによる梱包がほとんどではないでしょうか。

 PPバンド掛けは、樹脂製のバンドストッパー(いろいろな名称があるようですが)と手だけでかけることができますが、その場合、慣れた人でも1個の荷物に2本のバンドを掛けたとして4~5分かかるのではないでしょうか。

 この作業効率を飛躍的に向上させるアイテムが今回紹介する「梱包機」です。ただ、この梱包機、「コレ買っとけばOK!」というようなオールマイティな最強機種はありません。事業所、作業所ごとの作業に合わせた選択が重要なポイントになります。それでは、いろいろある梱包機のタイプから紹介しましょう。

梱包機の手動、半自動、自動タイプのちがいについて

 PPバンドの梱包機は大きく手動、半自動、自動タイプに分けることができます。この3つのタイプを分けている点は「バンドをどのように掛ける・締めるのか」という点になります。

手動タイプ

 手動タイプは写真のようなハンディ型で、荷物にバンドを巻く・掛けるを自分の手で行うタイプです。荷締めは基本的に手で握るような動作で行いますが、機械がバッテリーで行ってくれるタイプもあります。

 ただ、人が何もせずに自動で締めてはくれません。バンドのカットは自動で行ってくれるものもありますが、プッシュボタンを押すなどの方法が多く採用されています。

半自動タイプ

 半自動タイプは多くのタイプが存在しますが、基本的に荷置き台があり、台上の荷物を巻くようにバンドの一端をつまみ、指定の差込口に入れるまでを人が行います。

 最もシンプルな装置が掲載写真のようなタイプです。差込口にバンドの端を入れた後は、機械が荷締めを行い、バンドの溶着・切断を行ってくれます。PPバンドは加熱した接着時で固定します。
 半自動タイプはバリエーションが豊富です。たとえば、写真の台中にはPPバンドのリールが格納されていますが、回転体に手をはさむなどの危険を避けるため、カバーが装着された装置もあります。

 その他、台上に置けるようなコンパクトサイズ、テンション(締め具合)を数値制御できるタイプなどがありますが、テンション制御があればバンド締めすぎによる製品箱の角つぶれを回避することができます。

自動タイプ

 自動タイプは荷物を置いてボタンを押すだけで梱包してくれる機械です。インラインの場合は、荷物が所定の位置に送られたのをセンサが感知すれば、自動でPPバンドを掛けてくれます。

 こうなれば、人手はメンテナンス以外に不要です。形状として、多くは門形のアーチがあり、アーチ内側からその下の荷物に向けて一瞬でバンドが降りて巻かれ、接着、切断までが素早く行われます。

 驚くのはその速度です。「これでどうやって接着してるの?」と思うような素早さで荷物の梱包ができあがります。

手動・半自動・自動タイプをいろいろな視点で徹底比較

導入コストの比較

 手動タイプは、2万円以内が普通。半自動・バッテリータイプは30~60万円程度。自動梱包機は約80万円程度の価格を考えておけばよいでしょう。ポイントは、このコストと求める作業のバランスです。

 自動化率が高ければ良いというわけでもありません。高額でオーバースペックな自動梱包機を導入しても、使われなければもったいないだけです。ちなみに、自動梱包機の最大梱包数は1分間に60個にも上ります。

 それだけの作業量が必要かどうか、無人化を達成する必要があるのかどうかなど、これから梱包機の導入を考えているユーザーにとっては判断に迷うところも多いと思います。そんなときは、ぜひ経験豊富なもりや産業にご相談ください。密なヒアリングでぴったりの1台をご提案できます。

ランニングコストの比較

 手動<半自動<自動の順でランニングコストが多くかかります。手動機でも、カシメるための金物部品や最低PPバンド代は必要です。充電タイプは電気代がかかりますがランニングコストは安価です。

 半自動ならば消耗品に加えた電気代が必要になります。自動機であれば、加えてメンテナンス費用も考える必要があり、200V駆動機であれば電気代も多めにかかります。

効率の比較

 もちろん手動<半自動<自動の順で効率は上がります。ひとつあたりの荷物を梱包する時間もこの順で飛躍的に短くなります。ただ、結束・梱包だけに注目せず、その前後の作業も合わせて考えましょう。

 たとえば、半自動梱包機では「作業台に荷物を載せる」「梱包後に荷物をどけて次の梱包に備える」動作が必要です。重い荷物ならこの前後のためのローラコンベアが必要になるかもしれません。俯瞰した考え方が必要になります。

人件費の比較

 ほぼ「道具」感覚の手動機でも、それまでに手と樹脂ホルダーだけで結束していたなら飛躍的に効率が上がったように感じるでしょう。半自動機なら、専任の梱包作業者を置くことで、ほとんどの人をPPバンド結束の作業から解放できます。

 自動機であれば、加えて飛躍的な効率化やインラインによる無人化まで視野に入れることができます。会社として、どれだけの人材・労力を梱包作業にかけるのか、という目標の策定や働き方に対する考えかたなど、ベーシックな視点での計画が必要になります。

電源の比較

 手動機は、電源を必要としないものが多く、仮に電気が必要でもバッテリー充電がほとんどです。半自動機はほとんどが100V電源で駆動します。ただ、自動梱包機の場合は100Vのものもあれば200Vで動作するものもあります。主に、大きさが関係しますが、インラインでシステム内に組み込み、ローダー、アンローダー(積み卸し)まで必要とするなら200V電源が必要になります。

 この比較を一覧にした表を以下に掲載します。ポイントは「作業量と自動化率のバランス」です。迷われたなら、経験・ノウハウともに豊富なもりや産業に、お気軽にお尋ねください。

「人がやる作業」から「機械に任せる作業」への転換例

 もりや産業が策定した梱包作業効率化の例をひとつ紹介します。こちらのメーカー様では、半自動梱包機を使用して、「改善前写真」のように検品後に出荷作業を行っていました。

 この方法では、半自動梱包機の作業台に製品を載せる作業、梱包した製品を移動する作業が必要になります。わりと重さ、高さがある製品ですので、作業者の負担はかなり大きなものでした。また、製品箱の高さから自動梱包機は採用できないという先入観があり、半自動梱包機を使用していました。

 ローラコンベアで検品場から梱包機までの搬送、および高さに対応したカスタマイズ自動梱包機の導入とその後の出荷場までのコンベア搬送を提案しました。

 高さを合わせたコンベアの採用で梱包機へ製品を載せる、降ろす作業負荷が激減されました。自動梱包機の動作スイッチは足踏み式を採用し、こちらもスピードアップによる効率化と負荷低減を実現しています。流れ作業が確立し、出荷工程のボトルネックが解消。

「人がやる作業」から「機械に任せる作業」が実現しました。

商品紹介

半自動梱包機 iQ-400

・ベーシックな半自動梱包機
・低電圧DCモーター採用で静音仕様
・引締選択機能を採用。あらゆる梱包物に最適

半自動梱包機 D55

・水平掛け(胴巻き)PPバンド梱包が可能
・パレットに荷物を固定する梱包が可能(別機種)
・キャスター付きで移動が簡単

自動梱包機 SQ-800

・標準モード54結束/分、高速モード63結束/分
・高効率モーター採用で20%省エネルギー化
・2段引締め機能など、豊富な制御機能を搭載

まとめ

 梱包機の導入は効率とコストのバランス、導入後最低数年間の運用効果、そして人材不足や働き方の改善への対応も視野に入れて決定すると、必ずプラスに働きます。また、梱包機の前後で関連する作業や、必要とされる速度・効率、逆にオーバースペックにならないかなどノウハウが必要とされるポイントも少なからずあります。
もりや産業では、これまでに千差万別の現場に物流機械を導入してきた経験があり、そこから得られた知見を皆様にお返しすることで、それぞれの現場が持つ悩みにお応えすることができます。梱包機関係のベストソリューションをお求めでしたら、ぜひ私たちもりや産業にお声がけください!